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Antonio Stradivariの肖像③

今回から絵画ではなく彫像などを見ていきたいと思います。

クレモナの街にはこの街の偉人であるアントニオ・ストラディバリの像がいくつか設置されていて、それぞれ彼にまつわる場所にあります。

初めはストラディバリの家(Casa nuziale di Stradivari)の前にある像です。

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彼の隣のベンチが空いていますから、よく観光客がこの像とポーズをとって撮影しています。

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これは私が一番最初に紹介した絵を元に作られているようです。

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「Music Studio of Antonio Stradivari」William Harry Warren Bicknell (1860–1947) before 1923

この像は比較的新しく、私がクレモナ滞在中に設置されました。

銅像に見えますが、材質はグラスファイバー製だそうです。

この像の置いてあるストラディバリの家は、アントニオ・ストラディバリがまだ大きなお店を構える前の頃、最初の妻であるフランチェスカ・フェラボスキ(Francesca Ferraboschi)と共に住んでいた家です。

後に彼は聖ドメニコ広場(Piazza S. Domenico 現在のPiazza Roma:ローマ広場)にお店を構えるのですが、その建物は今は取り壊されてしまったので、現在残っている彼の住んでいた家はここだけです。

1階はストラディバリとは関係なく、2階がストラディバリが住んでいた部屋です。

イベントが開催されている時などに内部も見学することが出来ます。

※2020年2月にこの建物の持ち主により閉鎖され、売りに出されています。

現在は見学出来なくなっていて、まだ買い手も見つかっていないようです。

今後この史跡がどうなるのか注視していきたいと思います。

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次はバイオリン博物館(Museo del Violino)の前にある銅像です。

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この銅像はジャンフランコ・パウリ(GIANFRANCO PAULLI: 1948- Soresina)という、クレモナ県ソレジーナ(Soresina, Provincia di Cremona)出身の国際的に活躍している彫刻家が作ったもので、元々は市庁舎(Comune)の中庭(portici del cortile Federico II)にあったものを、バイオリン博物館のあるマルコーニ広場(Piazza Marconi)へ移したものです。

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市庁舎の中庭にあった時の様子

バイオリン博物館は2013年に作られた比較的新しいバイオリン専門の博物館です。

この博物館ができる前は、ストラディバリの使用していた工具や手紙、様々な製作者の楽器などはクレモナ市立博物館(Museo Civico "Ala Ponzone")内のストラディバリ博物館(Museo Stradivariano:今は無くなっています)にあり、アマティやストラディバリ、デル・ジェズなどの楽器コレクションは市庁舎内にありました。また、3年おきに開催される楽器製作コンクール「トリエンナーレ」の優勝作品は運営機関が独自に収蔵していて、それぞれバラバラな場所で展示・収蔵してありました。

それらコレクションを一堂に集め、そこに新たにマルチメディアの展示物などを追加して作られたのが、現在のバイオリン博物館です。

    この建物はこの博物館のために新たに建てられたのではなく、元々はファシスト政権の時代に建てられた建物で、芸術の館(Palazzo dell'Arte)と呼ばれる建物です。

    一時はバイオリン製作学校が入っていた時もありました。

    地下には小さなコンサートホールも新たに作られて、定期的に収蔵してある楽器を使用した演奏会が催されています。

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    クレモナの街にはこの他にもまだストラディバリの彫像があります。

    次回は残りの彫像を見ていきたいと思います。