最近バイオリンに関係する切手を収集しています。
今回はその私のコレクションを少し紹介しようと思います。
まずはやっぱりストラディバリですね。
イタリア王国 1937年発行 ストラディバリ没後200周年記念
ストラディバリの生まれた国、イタリアの発行した切手ですね。
私は持っていませんがもう一つ同じ絵柄で青い色の金額の違う切手もあります。
1937年にストラディバリ没後200年祭が行われ、その時に発行されています。そして、翌年にクレモナのバイオリン製作学校が出来ました。
そういった意味で卒業生としては感慨深いものだったのでどうしても欲しかったのですが、古い切手ということもあってなかなか見つかりませんでした。
ちなみに時代はファシズム政権で、この年に日独伊防共協定が結ばれています。
ストラディバリ没後200年祭はファシズム政権の国威発揚に利用されたお祭りでした。
そして次はストラディバリの製作した楽器の切手です。
朝鮮民主主義人民共和国 1987年発行 ストラディバリ没後250周年記念
ストラディバリ没後250周年を記念して、北朝鮮が発行しました。
これは1965年に亡くなった北朝鮮の作曲家であるキム・オクソンを記念して作られた6枚組の切手のうちの一つで、他の4人はリュリ、リスト、グルック、ラヴェルです。
それぞれの切手の下部分を見るとわかりますがそれぞれの没後記念で選ばれたようです。
この絵の楽器は「メシア」じゃないかと思いますが、はっきりとどの楽器かまではわかりませんでした。
次はドイツの製作家、マティアス・クロッツを記念した切手です。
ドイツ連邦共和国 1993年発行 マティアス・クロッツ没後250周年記念
スクロールの作成過程が描かれた切手です。
作曲家や演奏家の切手は多いですが、バイオリン製作に注目した数少ない切手の一つです。
マティアス・クロッツはミッテンヴァルトという街の出身です。この街はバイオリン博物館と製作学校、そして製作コンクールがあることで有名です。
クレモナもそうですから似た街ですね。
フランス共和国 1979年発行
フランス、ミルクールのバイオリン製作をモチーフにした切手です。
この切手のこれ以上の情報は全く見つかりませんでした。
記念切手ではないので特に大きな意味は無かったのかもしれません。
次はバイオリニストから。
ポーランド人民共和国 1952年発行 ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際バイオリン・コンクール第2回記念
ポーランドのバイオリニストで作曲家のヘンリク・ヴィエニャフスキです。
彼の生誕100年(1935年)を記念して開催される事になった国際コンクールの第2回(1952年)を記念して発行されました。
この時にイーゴリ・オイストラフ(ダヴィッド・オイストラフの息子)が21歳で優勝しました。
左からダヴィッド・オイストラフ、フランツ・コンヴィチュニー、イーゴリ・オイストラフ。1957年に撮影。
ベルギー王国 1958年発行 ウジェーヌ・イザイ生誕100周年記念
ベルギーのバイオリニストで作曲家、指揮者であるウジェーヌ・イザイの生誕100周年を記念して発行されました。この年にパリで記念コンサートも行われたそうです。
偉大なバイオリニストでしたから、彼を記念した「イザイ国際コンクール」が没後すぐの1937年から開催されました。後にこれはエリザベート王妃国際音楽コンクールとなります。
ちなみにイザイ国際コンクール第一回の優勝者はあのダヴィッド・オイストラフです。
ドイツ連邦共和国 1969年発行 ベルリン音楽学校設立100周年記念
ドイツのバイオリニスト、指揮者、作曲家であるヨーゼフ・ヨアヒムの肖像画を切手にしたものです。
彼はとても高名なバイオリニストであり、ドヴォルザーク、シューマン、ブルッフ、ブラームスなどからヴァイオリン協奏曲の献呈を受けています。
なかでもブラームスと彼は数十年来の友人だったのですが、彼の離婚訴訟の時に元妻をブラームスが擁護したことで仲違いしてしまいました。そこでブラームスは和解のきっかけを作るためにバイオリンとチェロのための二重協奏曲を作曲したというエピソードは有名です。
ヨーゼフ・ヨアヒムは1869年にベルリン音楽学校の前身である王立音楽演劇アカデミーを創設しました。その功績を称えて創立100周年にこの切手が発行されています。
この学校は1975年に国立ベルリン美術学校と合併しベルリン芸術学校となり、2001年に大学の地位を得て、現在はベルリン芸術大学となっています。
フランス共和国 2006年発行 パブロ・カザルス生誕130周年記念
スペインのカタルーニャ地方に生まれたチェロ奏者、指揮者、作曲家であるパブロ・カザルスをモチーフにしています。
パブロ・カザルスは1939年にスペイン内戦のためフランスへ亡命、スペインとの国境に近いプラドに隠棲していました。その間、彼は1950年に音楽監督としてプラド音楽祭を開催するなど、フランスにも縁の深いチェリストでもありました。
そのためもあってか、フランスで彼の生誕130周年を記念して発行されました
何で130周年だったのかは・・・わかりませんでした。
まだまだあるのですが、今回はこれくらいにしたいと思います。
案外切手の背景を調べてみるのも興味深いものでした。
でも、なかなか情報を集めるのも大変でした。
また情報が集まったら紹介していきたいと思います。